マイクはライブで私を自然体にしてくれるものの一部 | obanamicrofone 尾花マイク

マイクはライヴで私を自然体にさせてくれるものの一部

カネコアヤノさん

G5×アコースティックギター

弾き語りとバンドの両方のスタイルで活動、多くのフェスやイベントにも出演し、いま最も注目を集めるシンガー・ソングライターの一人であるカネコアヤノ。彼女のライヴを影で支えているのがオバナマイクで、4月にリリースされたライヴアルバム『カネコアヤノ TOUR 2020 “燦々” 弾き語り・東京編 2020.1.10草月ホール』でも、アコギの集音にはオバナマイクが使用されている。好きなギターの音、自然体でいること、集中力を切らさないこと――カネコアヤノのマイクにまつわる話をきいた。

--オバナマイクと出会ったのはいつ頃ですか。

カネコ 2018年の名古屋TOKUZOでのライヴの終演後に、尾花さんがマイクを渡しに来てくださったんです。それで試しに使ってみたら、ちょうどそのとき求めていた音が出たので、これはいいと思ってそれ以来使っています。

--それまではどのようにアコギの音を集音していたんでしょうか。

カネコ マイクをいただくまでは、ピックアップとギターの前にマイクを立てたのと半々くらいで音をとって、自分の返しは立てているマイクをメインに返してもらっていました。自分としてはギター本体の、生の音の感じでずっとやりたかったんだけど、外のパワー的にはやっぱりピックアップがないと足りないので、仕方なくピックアップの音を重ねているという感じでした。

--エレアコではなかったものに、後からピックアップをつけていた?

カネコ そうです。当時はメインでつかっていたアコギに、結局穴をあけて改造してました。

--それで、尾花さんからマイクを突然渡されて、早速ライヴで使ってみたと。

カネコ そうですね。ライヴですぐに使ってみて、これはなかなかいいねって。当時は100〜200人くらいのキャパだったので、全然足りるなと思っていましたが、最近では草月ホールとか、700人くらいのキャパのさくらホールでも使えました。

--使い始めたときから、オバナマイクをギターにはさむのと、前にマイクも立てていたんですか。

カネコ そうですね。

--それはずっと変わらず?

カネコ 変わらないです。本当にやりやすいです。

--マイクを渡されたとき、当時求めていた音に近かったとお話しされていましたが、それはどんな音だったんでしょうか。

カネコ 出来るだけ家で鳴らしている音と近いものがよかったんです。ピックアップを通したエレアコっぽい音が苦手で、声とギターが混ざらないというか。完全に声とギターが別々のラインにいて、聞こえ方が分かれているのが苦手だったんです。たとえば部屋で歌っている状態って、ギターと声が一つになっている感じで、ライヴでもそのままやれたらいいなと。それが叶ったときが実際一番気持ちいいし。それがいつも安定して出来るマイクが欲しいなってずっと思っていて、そしたら「あ、このマイクだ。やりやすい」ってなって。本当に生に近くて、でもハウらない。そういうものを求めると、ハウっちゃうものが多いっていう印象です。だからホールとかでやるなら難しいよって、PAさんにずっと言われてました。

尾花 コンデンサーマイクの方が繊細で生音に近くなると思うんですけど、ハウリングしやすくなっちゃうんです。いまお渡しているのはダイナミックマイクなので、ハウリングしにくいんだと思います。

--前に立てたマイクでギターの音を拾うのは、ライヴ中に動きが多い人は結構難しいですよね。

カネコ そうなんですよ。最初、ピックアップが合わなすぎて、マイクだけでやれるキャパのときは出来るだけマイク1本でやってたんだけど、私すごく動いちゃうから、日によってはそのバランスが悪かったりしましたね。今は立ててあるマイクから離れればいい感じに音は引くけど、ギターに挟んでいるマイクでも拾っているので、ちゃんと音はあるという状態。すごくありがたい。

尾花 マイクの使い方について、お会いして話していたときに、マイクとの距離感を大事にしているとおっしゃっていたんですけど、マイクが2本あることによって、離れた感も出ているんですか。

カネコ 出てると思う。尾花さんのマイクと立ててるマイクと、音量差どれくらいなんだろう…分かんないけど、離れたら離れたで分かるくらいの割合で出してもらっています。マイクを通して上手く抑揚をつけられようになりたいなと、すごく思っているので。

--4月に出たライヴアルバム、聴かせていただきました。オバナマイクを使ったライヴがアルバムになったのはこれがはじめてですか。

カネコ はじめてですね。草月ホールのライヴは、本当は『爛漫/星占いと朝』の特典にしようしてたんですよ。だから録音を入れてたんだけど、私がその日のライヴが本当に今までで一番楽しかったくらい、なんだろう、すごいきちゃって。そのあと自分で録音聞き返したら、これもう全部このまま入れたCD出そうよって思ったので、特典じゃなくて作品にしました。本当にあの日はよかったですね。あと尾花さんのマイクを使いだしてから、ホールとかがすごくやりやすい。なんか、気持ちがいいです。相性がいいなってすごく思います。

尾花 実はオバナマイクは、会場が広くなったりとか外の出音が大きくなったりするほど使いやすいので、ぜひ大きい会場でも使ってみてほしいです。

カネコ いいねー。たのしみですね。

--たとえば他のミュージシャンで、弾き語りのライヴがかっこいいと思うのはどんな人ですか。

カネコ 曽我部(恵一)さん。曽我部さんって、本当にマイク立ててボーカルしかないんですよ、どんなに大きいところでも。どれくらいのキャパまで、それでやったことがあるか聞いたら「武道館でもやったよ」って言っていて。「全然いけるよ!」って。それを聞いたときに、やっぱり私はピックアップがあってないというか、気持ちよく出来ていないし、やり方考えないとなって思ったんです。本当に曽我部さんはかっこいいなって思います。

--曽我部さんって、生っぽいというか、家でやってる衝動みたいなものをいかにそのまま大きくしていくかというところの中心にいる人ですよね。

カネコ あれが本当に真骨頂だなって思う。だってすごいもん。「ここで鳴ってて歌ってるっていうのが、やっぱり一番気持ちいいじゃん」って言われて、本当そうなんですよねってなった。去年ものすごい回数ライヴが一緒だったんですよ、フェスだったり、ツーマンとかもしたし。それでどこかのライヴで、弦が6本あるうち4本切れてて(笑)。それでも最後までやりきってて「さすがに今日は焦ったなー(笑)」とか言ってて、やっぱりそのときもかっこいいなって思った。

--ライヴハウスやホール以外で、今後ライヴをしてみたい場所はありますか。

カネコ 教会でやりたいです。これはもうずっと言ってて、でもやれてないですね。今までやって楽しかったのはお寺とか。あとレコーディグを伊豆でしているんですけど、伊豆に山があるんですよ。名前なんだっけ…。富士山のお姉さんって言われている山。まあるい、まあるい山なんです。リフトで頂上まで行くんですけど、そこに謎に大きい窪みがあって、アーチェリー場みたいな…。 

尾花 大室山だ!

カネコ それそれそれ! いいよね! あそこでライヴ出来るらしいって聞いて、それをやりたい。下から電気を持ってこないといけないし、人がどうやって来るかも全部考えないといけないんだけど、過去にやった人がいるって言っていて。もう原っぱって感じで、空が高くて、すごく気持ちいいんですよ。それはすごくやりたいし、バンドでやりたいから、それの音響とか考えたい。

尾花 たしかに、大きい音鳴らしてほしいです。

--バンドと弾き語りは、それぞれどういう楽しさがありますか。

カネコ 両方楽しいですけど、極端にいうと人格が違うみたいな感じかもしれない。バンドのときはバカの部分がばーって出てるけど、弾き語りのときは私の一番暗いところが出てる。自分とも、出来るだけ苦しいくらい向き合えたらいいなと思ってるし。でもバンドは、まずは私とメンバーの4人が楽しいようにやりたい。私たち4人がいつも居酒屋で楽しいのをそのまま、「やっぱ楽しいからバンドやってるだけだよねー!」みたいなのがやれたらいいなと思ってます。

--弾き語りもバンドも、家でやっていることや飲み会で楽しい感じをそのままライヴで出したいという意味では、似ているかもしれないですね。

カネコ そうですね。マイクも、ライヴで私を自然体にさせてくれるものの一部という感じです。ライヴはどれだけ集中を切らさないでやるかが私は大事だから、ギターも1本で間髪いれずにやるわ!みたいな方が重要なんです。集中力がない人間なので、一回変な行動をはさんだりすると一気に集中力が無になっちゃうんですよね。なので、集中力を続けさせるための大きな要素の一つがマイクだなって思ってます。

尾花 本当にプレイヤーのためのマイクだと思って作っているので、そう言ってもらえるのが一番うれしいですね。

カネコ かっこいいー! うれしいです!

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