どこに行ってもいいギターの音を出してくれる | obanamicrofone 尾花マイク

どこに行ってもいいギターの音を出してくれる

米山ミサさん

G5×ギター

シンガーソングライター米山ミサのソロプロジェクト、浮。2018年から都内を中心に弾き語りでのライブ活動を開始し、2019年にはバンド編成のファーストアルバム『三度見る』をリリースした。ライブハウスのみならず、飲食店や野外イベント、神社やお寺、果ては園芸店と、さまざまな場所で演奏する彼女も、オバナマイクのユーザーだ。オバナマイクを使うきっかけになったというガットギターの話、ライブで心掛けていることや、そこに至るまでのルーツをたずねた。

――マイクを購入されたきっかけを教えてください。

米山 ガットギターを使いはじめてから、ギターの前にマイクを立ててライブをしていたんですけど、前に物があるのがずっと気になっていました。ピックアップもあまりいいものがないなと思っていたら、SPORTS MENというバンドのガットギターの方が、すごくいい音でライブをしていて。「何を使っているんですか」と聞いたら、尾花さんのマイクを教えてもらったんです。もう3年前ぐらいですかね。

尾花 本当ありがたいですね…。

米山 それを晴れ豆(晴れたら空に豆まいて)のPAの方に話したら、「持ってるから使ってみる?」と言ってくれて。借りたものを何ヶ月か使ってみて、自分のものが欲しいと思って買いました。それが2年前くらいです。

――ガットギターを使い始めたのはいつ頃ですか?

米山 3年くらい前です。それまではアコギにシールドを刺して使っていたんですけど、全然しっくりきていませんでした。私はライブをやるときは、自分の歌っている音とギターの音をよく聞いて、それに集中しながらやるんですけど、そういうときに、外から入ってくるような音だとやりづらかったんです。具体的にいうと、ハイがきつかったり、しゃりしゃりしている音が苦手で。そしたら、サボテンネオンハウスのギターの青山さんが、ガットギターを裸でわたしのバイト先に持ってきて。

尾花 (笑)

米山 「ミサちゃんこれ使いなよ~」って言ってくれたので、裸で持って帰って(笑)。 で、今も…。

――それ以来ずっと使っているんですね。

米山 そうです。だから青山さんのイニシャルが書いてあるんです(笑)。

――浮さんはいろんなところでライブをされていますが、どんな場所でもこれさえ決まればうまくいく、ということはありますか?

米山 だいぶ気持ちの問題なところはあります。これさえあれば大丈夫と思っても緊張してしまったり、不安なまま歌い始めたら意外とそれが集中に繋がったり。でも、オバナマイクはどこに行ってもいいギターの音を出してくれるので安心しています。何だろう、本当にすごいです。生っぽいというか、ちゃんと立体的な、空間の音が出ます。これまで合わなかったところはないです。あまりにも狭いところとかだと、むしろマイク通さずにやった方がいいとかありますけど、99パーセントどこでもいい感じにいい音で出してくれます。

尾花 99パーセント! こんなにいろんなところでやっている方にそう言ってもらえたらうれしいですね。

米山 この間一番広いところで、外だったんですけど、そのときもすごくよかったです。

尾花 やっぱりマイクの形が変じゃないですか。米山さんはいろんなところでライブをされているので「何だかわからないものは使えないです」って言われることはないのかなーと思って…。

米山 ないですないです! よく音響の方にファンタム電源使いますか?と聞かれるのですが、ダイナミックですと言うと驚く方はいらっしゃいます。それでも終わった後、必ず「どこのマイクですか?」って聞かれます。本当によく聞かれます。それでその後「買いました!」って連絡くれる方も何人かいて。

尾花 よかったです…。ハコの人はびっくりしたりしないかなと。

米山 びっくりはしてますね。すごいベテランの人にも「何それー」って聞かれて、とりあえず現場で音を出すと、「めっちゃいい音だね!」ってテンションが上がったりしていることもありました。

――レコーディングも、今はガットギターがメインですか?

米山 『三度見る』は全部アコギだったんですけど、次のアルバムでは全てガットギターを使っています。曲の雰囲気も、かなりガットギターに合うようになってきているので。

――ガットギターに合う曲の雰囲気とは、たとえばどんなものですか?

米山 もちろんアコギでもできることだと思うんですけど、ガットギターの方が音を弾いてない間の部分も、ちゃんと聞こえる感じがするというか。波のようなものがガットギターにあってるんじゃないかと思っています。ガットギターを使い始めてから、環境から生まれる音楽のようなものに惹かれていて、そういう音楽にガットギターの音がすごく合うなあと。弾くっていうよりは響かせるような。

――ガットギターの音は以前から好きだったのでしょうか?

米山 好きでした。最初は青葉市子さんを聴いて、クラシックギターの音だとは知らずに、このギターの音すごくいいなーと思っていて、後からガットギターの音だと知りました。折坂悠太さんがライブでガットギターを弾いているのを見て、それもすごくいいなと。

――ギターの弾き語りの音楽も、昔から好きでしたか?

米山 自分で好きだと思って聞き始めたのは、弾き語りを始めたときからかもしれないです。もともとは中学生の頃に、兄の影響でブラックミュージックが好きになって。兄が入っていた高校の音楽部は、モータウンとかガレージロックのコアなファンが集まっている感じだったんです。歌のある音楽と、リズムを聞く音楽を、どちらも平行して全然違う気持ちで聞いてきたというルーツがあって、リズムの方はブラックミュージックから始まって、エチオピアジャズとか、地域性の強く出ているものが好きですね。

――歌のある音楽のルーツも教えてください。

米山 寺尾紗穂さんの影響が大きかったです。歌詞がすごいなと思って。あと、言葉だけで言うと俳句や短歌などの短い言葉で表現されるものにもかなり影響を受けています。 自分の子供の頃から自然に耳に入ってきていた音楽って、かなり歌詞の具体性が強いものが多かったんですが、自分の受け取る余白がある言葉やメロディがあることを知れたのは大きい出来事でした。

――ご自身の活動で、音楽を作るのとライブは、どちらも同じくらい好きですか?

米山 曲を作るのはライブと同じくらい好きなんですけど、録音は苦手です。ライブは昔から好きですね。地元のライブハウスも、高校生くらいから行っていました。自分で演奏するのは外が好きです。あとは神社とかお寺でやると、いちばん調子が良い。去年、埼玉の園芸店でライブしたときも(2021年10月に当麻園芸で行われたイベント「演芸展」)、すごく音がよかったですね。ビニールハウスの中で演奏したんですけど、共演したIndus&Rocksといういろんなところでライブをしているバンドの人たちが、機材やPAをすべて担当してくれて。スピーカーも手作りだったりして、すごくよかったです。